冬の競艇場[ボートレース]情報
寒くて競艇場に足が向かない人に教えたい、冬の競艇の楽しみ方
最近の競艇場は様々な設備が揃えられており、男性だけでなくカップルや女性同士でもじゅうぶんに楽しめる場所です。そこで今回は、冬におすすめの競艇場の特徴をご紹介。競艇場は寒そうなので冬場は行く気にならない、という人のために、冬ならではの競艇の楽しみ方をご紹介します。
冬のデートコースにおすすめの競艇場

冬のデートコースのひとつとして、カップルで競艇場へ行くのはいかがでしょうか。競艇場は、ただボートレースを見るだけではなく、様々な催しが楽しめる施設です。例えば、徳島県鳴門市にある鳴門競艇場鳴門競艇場では、2016年12月に競争水面にて光と水のアートを楽しめるイベント「ウォータースクリーンイリュージョン」を開催しました。広島県にある宮島競艇では、2月に「大野かきフェスティバル」を開催。宮島名物のかき料理に舌鼓を打ったり、広島の伝統芸能神楽の舞台を楽しんだりすることができます。また、愛知県の蒲郡競艇で2月に開催される「蒲郡農林水産まつり」は、蒲郡にて生産された農産物を買い求めることができたり、温かい大鍋アサリ汁を味わったり、ゆるキャラのステージを楽しんだり、盛り沢山の内容です。また、東京都大田区にある平和島競艇場は、平和島温泉クアハウスやマルチシアター、飲食店などが充実しているビッグファン平和島が隣接。レースの前後に楽しめる施設がたくさんあります。東京都府中市にある多摩川競艇場では、競艇場内で人気のB級グルメ「牛炊」をレース観戦がてらに楽しむのもおすすめです。レース後には、多摩川をのんびり散策しましょう。
寒い日のお家デートにおすすめの競艇映画
競艇は好きだけれど、寒い冬にはなかなか競艇場へ出向くのが億劫だという恋人同士や夫婦におすすめなのが、競艇を題材にした映画です。実は、競艇を題材とした映画というのは、あまり数は多くありません。ここでは、そんな貴重な競艇映画「フライング飛翔」をご紹介しましょう。この作品は1988年に公開されました。モーターボート選手になることを夢見ている少女マリは、ベテラン競艇選手を叔父に持つサラブレッドです。しかし、マリの憧れである叔父は、全日本モーターボート選手権の最終日に、過酷な優勝争いの末、新人選手の能登にはじき飛ばされ、敗れるという屈辱を味わいます。高校卒業後、叔父と同じ競艇選手になることを決意したマリは適性検査に合格、1年間の厳しい訓練に耐え、見事デビューを飾りました。競艇漬けの日々の中で訪れた出会いや挫折を乗り越えて、人間として、レーサーとして成長していくマリの姿を映していく感動作です。この映画では、過酷な訓練の日々や厳しい勝負の世界が描かれています。華やかなレースの舞台裏を知ることができる映画です。
賞金王レースで身に付けたい競艇グッズとは
競艇ファンの年末の楽しみと言えば、「グランプリ」と「シリーズ戦」。特に、グランプリは競艇選手全員が目標としており、最高峰のレースとされ、寒い冬に熱き戦いが繰り広げられます。また、グランプリ観戦のお供としてぜひ身につけたいのが競艇公式グッズです。グッズの中でも毎年人気が高いのが、Tシャツ。選手Tシャツと、「I LOVE BOAT」のロゴTシャツの2種類が、。黒、白の2色展開で販売されています。Tシャツと同じくらい人気なのが、選手キャップ。黒を基調にした落ち着いたデザインなので、普段使いもできます。また、キャップ以外にもハンチングやハット帽など、色々な種類のものが発売されおり、どれも好評です。携帯電話や鞄にさりげなく付けておきたいのがキーホルダーやストラップ。選手の名前入りジャンパーの形をしているので、好きな選手のものを購入して応援しましょう。それぞれのレース場にいる、オリジナルキャラクターのグッズも人気。愛らしいキャラクターの品々はいずれも数量限定なので、売り切れてしまう前に購入しましょう。また、フェイスタオルの種類も豊富。特に、選手の名前で作られた詩がデザインされた「言詩フェイスタオル」は目新しいデザインで人気です。
プロアスリートのほとんどは幼い頃から練習や経験を積んで、大人になってから活躍しています。しかし競艇選手は、経験がない人を対象にする養成学校で1年育成し、卒業生がプロ競艇選手として活躍することができるという珍しい世界。競艇選手はエンジン整備やモーターボートの操縦、体調管理を含めた生活を養成学校で学んだのち、レースの世界で華やかに活躍しています。競艇選手への道のりは厳しいものですが、厳しさをくぐり抜けたトップ選手のみが、冬に決定する「賞金王」の称号を手にするのです。
レースの始まりと賞金王

競艇では、どのレースにどの競艇選手が出場するかを、主催者や選手自身が決めることができない仕組みになっています。これは競艇が興行であるという面からレースの公平性を保つことが目的。そのため、どのレースにどの競艇選手が出場するかは日本モーターボート競走会により公平に「あっせん」されて決定されます。この仕組みではトップクラスの選手が特定のレースに集中することや、一部の選手だけが出場回数が増えてしまうという状況を防ぐことができます。
競艇選手が競技に参加するためには、出場あっせん依頼書を提出しなければなりません。日本モーターボート競走会は依頼書をもとにレースの出場選手を決定。その後、全国24ヵ所のボートレース場に選手出場あっせん一覧表を送付し、選手の参加手続きが完了するとレースが始まります。レースは一年中開催され、冬には一年の締めくくりとして賞金王が決定。この時期には、いつにも増して競艇場が白熱します。
競艇選手の平均所得は約1,600万円。また、平均生涯所得は約4億円と推測されています。競艇選手が約1,600名いるなかで、トップであるA1クラスの選手となると平均所得が約3,300万円に、さらには年間1~2億円、通算で10億円を超える獲得賞金を得る選手も。競艇選手は実力次第で収入を上げ、賞金王という輝かしい実績と名誉をもって活躍することができるのです。
競艇選手に必要なこと
競艇は「水上の格闘技」とも呼ばれる激しいスポーツ。モーターボートを操り勝利を目指して戦います。水面や水質、気象条件に影響されるため、それを考慮した戦術で戦うことができるかが勝敗を大きく左右します。また、モーターボートを深く理解し、レースの条件に合わせた調整をすること、操縦技術を身に付けることも大変重要。つまり、自分で考え手抜きをせずに行動できること、スピードのセンスやレース中いかに臨機応変に対応できるかという素質が求められます。
冬季は特に温度や風の変化に対応できるかが、勝敗を分けるポイントに。冬季に環境変化がもたらす影響の代表としては、水面が北西から吹く偏西風により変化することや、海水温度が下がることでエンジンの体積効率が上がり出足が強くなることなどがあります。
競艇選手の管理
競艇選手は、公正、安全、円滑に競艇を行なうため、競技の参加が決まると厳しい管理下におかれます。健康管理はもちろんのこと、起床や消灯の厳守、決められた服装の着用、禁酒を行なわなければなりません。無許可薬物の使用禁止が定められているため、競艇場の医師の所見に基づく物でないと薬を飲むことも控えます。
最も厳しい条件のひとつは外部との通信、連絡の禁止。期間中は家族との連絡も取れません。このような厳しい管理下でも周囲の人に対する礼儀を守り、自身のコンディションを管理すると言うとても厳しい環境に耐えた者だけが、選手としてレースのスタートに立てるのです。
競艇選手の養成学校である「やまと競艇学校」では厳しい授業に加え、男子は丸坊主、女子はショートカットという容姿規定、外出の制限など精神的に辛くなって辞めてしまう学生も少なくありません。しかし、それは選手になったときの厳しさに耐えられる精神力と、肉体を鍛え上げるために必要な訓練とも言えるでしょう。
雪が降るような中でも、水上で繰り広げられる競艇レース。レーサーは冷たい水しぶきを浴びながらも、一瞬の隙を突く集中力で1着を目指します。
クイーンズクライマックス

近年のボートレース界の人気を支えているひとつの要因が、女性ボートレーサーの活躍で、母親になっても活躍でき、2015年には初めて母と娘が同じレースで対戦しました。女性レーサーだけが出場するシリーズも各地で開催され、毎回多くのファンがレース場に駆け付けます。
そんな女性レーサーのその年の獲得賞金1位を目指すレースがクイーンズクライマックスで、出場資格はその年の1月1日から11月下旬に開催されるチャレンジカップまでの獲得賞金上位12名などで、プレミアムG1に位置づけられています。開催は天候にかかわらず大晦日なので、まさに1年を締めくくる大一番と言えます。レースは3日間で、2日目までのトライアルレースの成績上位6名が最終日の優勝戦に出場します。優勝賞金は1,000万円と高額。勝敗を左右するモーターは開催場の勝率上位のものや、専門誌などが推薦するものなどから抽選で割り当てられます。この模様は一般公開されており、ファンの注目を集める瞬間です。
クイーンズクライマックスと並行して開催されるのが賞金女王シリーズ戦です。42名の女子トップレーサーが1年を締めくくるレースを展開し、優勝者には翌年の夏に開催される女子王座決定戦への優先出場権が与えられます。
船体について
凍てつくような寒さの中でも、灼熱の太陽の下でも、ボートレースは開催されます。その船体はどんな厳しい環境下でも安全性を保ちつつ、最大スピードで水面を滑走できる構造になっており、レース用の船体はすべて木製で、ヤマハ発動機製の同一規格の物です。製作工程の大半は人間の手で丹念に行なわれるので、新しい船体ができ上がるのに時間を要します。寸分の狂いもなく造られるものの、わずかな違いが生じるため、スピードや乗り心地に個体差があり、船体は各レース場が所有し、シリーズが始まると抽選でレーサーが割り当てられます。
コックピットの部分には、向きを変えるハンドルと、エンジンの出力を調整するレバーが備わっています。舵は付いておらず、エンジンの向きを変えることで方向転換します。つまり、右手でハンドル操作を行ないつつ、左手のレバーでスピードを調整するのが操作の基本です。また、シートなどの余分な装備は無く、選手は正座をして運転するように設計されており、エンジントラブルなどに備えて自力で動かせることができるよう、パドルは必ず備え付けられています。
レースは時速80km程のスピードが出ます。選手は水面に近く、波にぶつかりながら全速力で走行するので、常に大きな恐怖と衝撃を体感します。
決まり手
ボートレースには、決まり手が設定されています。1着がどのようなレースで決まったのかを示す要素で、レース観戦や予想にも役立ちます。まず、大半が「逃げ」です。ボートレースは、インコースだと距離が短いので有利とされています。つまり、追い抜くことはなく逃げ切るからです。これは、1コースの選手のみの決まり手です。次に「まくり」で、2コースから外の選手に当てはまる決まり手です。コーナーでインコースの選手を外側から追い抜く走り方で、スピードがないと決まりません。一方、前の選手の内側から抜くのが「差し」で、前の選手が外側に膨らんだ瞬間に割って入り内側から抜き去ります。そして、逃げる選手と、外側から追い抜く選手の間を割って抜き去るのが「まくり差し」です。特に高度なテクニックが必要となることから、成功すると会場も大いに沸きます。この他に、コーナーではなく直線で追い抜く「抜き」と、他の選手が転覆などをして抜き去る「恵まれ」があります。
常に熱戦が繰り広げられる競艇場ですが、年末にはさらに熱い戦いが待っています。「グランプリ」「グランプリシリーズ」の2本立てで行なわれる年内最後のレースは、賞金王を決定する特別な試合です。選手たちはファンの期待と共に、レースだけでなく自然との戦いも見せ、ゴールに向かって走ります。
グランプリとグランプリシリーズ

年の瀬も押し迫った12月、競艇の年内最終戦であるグランプリとグランプリシリーズが2本立てで開催されます。この大会は、競艇のSG競走のひとつで、年間の賞金王を決定するレースとなります。開催は、毎年12月18日~12月23日の日程にほぼ固定されており、初日から5日目が予選で、最終日が優勝戦となります。2014年(平成26年)から賞金王決定戦が「グランプリ」に、また賞金王シリーズが「グランプリシリーズ」に通称名称が用いられます。
グランプリは、優勝賞金は1億円とボートレースの最高峰として位置付けられており、優勝選手には「黄金のヘルメット」が贈られます。そのため、競艇選手にとっては憧れの舞台であり、1年間の最大目標となっています。
出場資格は、その年の1月1日から「チャレンジカップ競走」の終了日までの獲得賞金ランク上位60名を全登録選手から選び、上位18名がグランプリに、19位以下はグランプリシリーズに出場できます。本来は、フライング休み(斡旋停止)が当該競走の前検日を含む開催期間と重複する場合は出場できませんが、特例として選考期間内での獲得賞金ランクが15位以内であれば出場が可能です。
また、12月下旬には、女子の賞金女王を決める「クイーンズクライマックス」が4日間にわたって開催されます。グランプリと同様に女子競艇G1レースのひとつで、優勝賞金は1,000万円となっています。
いずれも1年を締めくくる競走であり、最後にかける思いは選手もファンも熱く、白熱したレースが展開されます。
冬場の調整

競艇で、レースを左右するのは選手の実力もありますが、気温や風、潮の干満など気象や自然環境も大きく影響してきます。レース当日の気象状況を把握して、それをいかに味方に付けるかが重要な要素となります。特に、冬場は気温が下がり、空気も乾燥してくるので、冬ならではのモーター調整が必要です。
気温が下がる冬場は、モーターの調整が勝敗を分ける大きなカギとなります。気温が低くなると、モーターの体積効率が上がるため、パワーが出やすくなり出足が強くなります。そうなればイン寄りのコースが有利となります。また、湿度はモーターの空燃費に大きな影響を与えます。冬は湿度が低くなるため、モーターの出力が上がり、インコースのレーサーはパワーを遺憾なく発揮できます。
競艇場によって風が吹く方向や強さが異なり、選手は風の向きも計算に入れて戦術を練らなければなりません。競艇場ではレース情報に風向きや風速、波の高さ、気温、湿度が表示されます。こうした自然の影響を受けやすいため、レース時点で攻略方法も変わってきます。例えば、スタートラインに対して向い風の場合は、インはスタートラインに近い位置からダッシュをしますが、アウトはスタートラインから離れた地点からダッシュをつけてスタートしますので、ダッシュの短いインは、あまり加速が伸びず、長いダッシュをするアウト勢にスピードで負けるため、アウトが有利とされています。さらに、ターンしたあとは逆に追い風となるため、アウトではスピードに乗ったターンをした上、さらにスピードを加速することができます。反対に、スタートラインに対して追い風の場合は、今度はインが有利になります。
また、干潮と満潮でも条件が異なり、干潮では水面が安定しているため、スピードに乗ったターンがしやすくなりますが、満潮では水面が高く不安定になるため、ターンするときにスピードが落ちたようになります。
このように、競艇選手はレース相手だけでなく気象条件とも戦っており、特に冬は寒さとも戦うことになります。